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「61」

なにかあるたびに、わざわざ手土産を持参する人がいた。少し前までは、そんなことしていろいろと大変だろうなあ、なんて思っていたけど、ひょんなことから自分もするようになってからは、どこかちょっぴり大人になった気分なのだ。

あの人は甘いものが好きだから、駄菓子を持って行こうとか、あの人はコーヒーが好きだから、豆を選んで持って行こうとか、こうやって”あの人”のことを毎回考えるのも実は楽しいことにも気づいた。

会う度に毎回必ずというわけではないが、お世話になっている人や、久しぶりに会った人、ちょっと以前に借りのようなものがあったりとか、そんな時にさりげな〜く持っていくのだ。そして、差し出して「これはどこどこのなになにっていうお菓子で、自分が食べたことがあって美味しかったから口に合うかどうかわからないですけど食べて欲しくて持ってきました」とか、なんかこんな”大人な”事を言ってしまったりするのだ。

気に入られようとしてやる人や場合もあるだろうが、そうではなくって、とある人にされて、素敵だなと思ったから、じゃあ自分の習慣にも取り入れよう。と始めたのだ。それに、押し付けがましいかもしれないが、人からされて嬉しい事を、誰かにするとやっぱり気分がいい。

手土産はたまにだけど、こんな事をしていると、どこかで食べて美味しかったものとか、お土産でもらって嬉しかったものとかを多少覚えているようになる。あ、これ美味しい。あの人好きだろうなとか、今度持っていくか。なんて、そんな些細な事でも考えるのは楽しいもんだ。

手土産の習慣は、結構いいものだと30を過ぎてようやく気づき始めた。

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