6月は、うちの工場は閑散期となる。業界は季節の切り替え時で、6月なんかは展示会のシーズンに突入するから、量産をするアパレルが結構少ない。うちの取引先のメーカーさんたちもほとんどが6月展示会だ。結構暇になってしまったので急遽、気になっていた「デンマーク展」に行ってきた。デンマーク展とは北欧デンマークの、椅子やテーブル、食器などの展示品が見れる展覧会だ。
見ていて面白かったのが、デザインの基盤となるのは1910〜30年代にかけて、ほとんどが出来上がっていたというコトだ。40年代以降の作品は、「モダニズムオーガニック」と呼ばれるものが多く、デザインが一気に変わったものではなく、使われる素材やデザインの概念など、ある種「思考や哲学」というものが変わってきている”だけ”という印象だった。(”だけ”ではないが、分かりやすく大げさに捉えると)
デンマークの建築、家具、家電などなど、そのほとんどが「日常に溶け込む機能的なデザインと形」というものを主体として作られていたというコトが、デザインが大きくガラッと変わらなかった理由なのだろうと推測する。
他にも、日本人の感覚にはない色使いや配色であったり、カルチャーや時代背景からくる家具の形だったりと、面白いものはたくさんあった。どことなく、日本に取り入れやすい文化なんだろうなというのは、じっくり見てみて初めてわかった。
デザインは”使いやすさや溶け込みやすさである”と、デンマーク文化が語りかけているような展覧会で、そういった部分が、日本の感覚に非常に近いとも思ったのだ。どこか控えめというか、おしとやかというか、主張しない、だけどそこに確実に存在する。そんな雰囲気が、ある種日本の美意識と似ている気もした。
だけどある視点から見ると、やっぱり日本とデンマークで見比べて、決定的に違うところがあったが、それを言葉に出来ないでいる。それを言葉に出来て初めて、日本を少し語るコトが出来るんだろうな。
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