「肘外に曲がらず」
少し前に初めて聞いたこの言葉の意味は、非常に面白かった。”肘は内側にだけ曲がることで、人は物を持ったりすることが出来る”ということだ。要するに制約、制限があるからこそ、発展し成長するということだ。もっというと、制約、制限があるからこそ自由であるということだ。本来ぼくらが思っている自由とは、ルールや決まりごとが何もないことであるように思えるが、実はそれは違っていて、決まりごとがあるからこそ自由である。というのが、とある人が残した言葉だった。
確かにその通りだと思う。人間も、命が永遠に続くもので、死なないのであれば、こんなに発展しなかっただろう。死んでしまうからこそ、その中で出来ることを探し、人生や命というルールがあって初めて何かが生まれる。
「肘外に曲がらず」という制約の中で、逆に、内側に曲げることが出来ることを利用して、物を持つようになり、さらに腕の筋肉が発達したりしてきたということだった。この言葉は非常に面白い、ぼくの生きていく中で非常に重要な言葉になりそうだ。「膝外に曲がらず」と言っても良さそうだ。膝も同じように、膝が内側にしか曲がらないことで、立ったり座ったり、ボールを蹴ったり出来るということだな。
正にぼくが現在企画しているモノにも「肘外に曲がらず」と同じような絶対のルールが存在する。まだ先のことは分からないが、その絶対的なルールがあるからこそ出来るものが大きく広がっていくとどこかずっと思っていたのだ。「こんな制限を作ってしまって良かったのだろうか?はたしてこの先、この制限がとても邪魔になってくるんじゃないか?」と、どこか不安に思うこともあったが、「肘外に曲がらず」という言葉を聞いてから、自分が目指しているところが間違いないと示してくれているようで、とても嬉しかったのだ。
何よりもこの”制約”や”制限”があるということが”ものづくりの本質”と言えるような気もする。
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