コロナ禍の過酷な環境で対応に当たっている医療従事者の人達へ敬意と感謝を示すため、航空自衛隊のブルーインパルスが飛行していた。
これについて、メディアではこの行いは良いものだと言わんばかりに情報を流していた。
ぼくの地元である岐阜県各務原市には航空自衛隊基地があり、毎年夏頃、ブルーインパルスのショーがあるということで、大勢の人が他県から押し寄せる。地元民でも好きな人は見に行っているだろう。
一言で言うと、ぼくは嫌いだ。 ただでさえ航空自衛隊の飛行機の音が日頃からうるさいのに、ショーになったら、体験したことはもちろん無いがそれはまるで空襲かのようなとんでもない地響きとエンジン音に風をぶった切る爆音が鳴り響く。それも連日。日中だから良いのかというと、こちらからすると電話のやりとりなんか室内にいても全く聞こえない。
飛行機が飛んでる時は、一度電話を止める。 ひと昔前なら、学校から帰って見ていたTV(お金がないの再放送やナースのお仕事の再放送)の音をかならずいい所でかき消してくる。
ショーの当日なんかはとんでもない車の渋滞が発生し、生活に支障が出る。地元民たちは、市から?国からの謝礼として、自宅の防音工事の費用を補填してくれるのはいいが、ウチの実家はそれでもえげつないくらいうるさいの轟音だ。
一時期東京行っていたからすっかり忘れていたけど、帰ってきてから余計にこの辛さを感じている。すぐにでもやめて欲しいと市に何度もメールをしている。そんな中で昨年冒頭のニュースを見て、表向きは本当上手に魅せるなーと感心したことと、実際に当事者でない人達は、航空ショーが行われているのはたったひと時のことだから当然「癒された」「元気が出てみんな笑顔だった」と楽しんでいた様子だ。
それはそう感じたんだから別になんとも思わないが、人々のその感動を上手いこと利用してるあのメディアの感じに非情さを感じる。
内容は違うかもしれないが、辺野古基地の問題なんかも地元民が抱えるものがほんの少しだけわかる気がする。大小あれどこういった問題って世の中には沢山あるんだろうな。その地域ごとで。
Twitterでブルーインパルスの必要性の賛否が沢山ツイートされていたから見ていると、全く同じように感じている地元民の人が呟いていて、その気持ち分かる分かると共感して頷いていたところ「そんなに嫌なら基地のない所に引っ越したらいいじゃん」という返信もあってあまりにも軽いそのコメントに笑うしかなかったな。その立場になって体感してみないとわからないに決まっているのによくもまあそんなことを。。
そのコメントにさらに複数人がコメントしていて、最終的にはブルーインパルスの必要性の本質から話がずれて、そんなこと言うなら引っ越し先の費用や就職のあっせんをしろだとかに。 (ここでぼくも話が外れるがやっぱTwitterってそもそも議論する場所じゃないなーと感じた。たった140文字程度で何を語り、伝えることができるのか。しかもそれを見る人は何処の誰かも全く分からないと言う環境でのコミュニケーションって一体何なんだあのツールは。)
最近「利他」や「利己」について親友と話しててこれらの問題って正に、この世の中がいかに「利己的」な考えの基に成り立っているのかを考えさせられたのだった。
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