久しぶりに、服を買った。 超満足しているかと言ったら、正直超満足はしていない。
最近同じ服しか着てないなーって思ったから、いろんなサイトを見ていて、なんとなくこれだったら欲しいと思える物に目星をつけて、2点ほど買った。
それなりのメンズブランドだし、ファッション好きならきっと知ってるようなブランドのもので、多分作りもデザインも悪くない。普通に売れてるだろうし、普通に巷でそれを着てたらちょっとお洒落だなってなると思う。まあセールだから買ったんだけど。
とは言え、正直満足できていない。心のそこから満足出来るような買い物なんて、東京の時によく行ってたあるお店の店長から進められて買ってた時以外、ほとんど無いように思う。それは、その店のファッションデザインというより、その人から買っていたという感覚だ。それがあるのと無いのとでは、非常に満足度が変わる。
その店長がいるお店のブランドの服より、今回買ったブランドの服の方が断然世間で認識されてるし、人気だし、イケてる部類に入るけど、でも、正直全く満足はしていない。よく行ってたお店の店長から買っていた服の方が、桁違いで良い。
まぁ世間の99%のブランドなんて大抵そんな大したことないもんだという事は十分わかっているけど、それでもまあこれなら良いだろうなと思ってネットで買った服でも、届いてみたところ、やっぱり大変な満足は出来ないのが事実だ。
そう考えると、自分が少し前まで作って販売していた服って、ハッキリ言ってそっち側だったんだろうなと思う。面と向かって接客して買ってもらってたから、もしかしたら多少の信頼はあったかもしれないし、そうやって言ってくれるお客さんもいてくれた。だけど、自分が今改めて、買う側にいると、多分今回買ったブランドと、デザインや知名度は別としても、やってることに正直そんな大差がないし、正直同じようなどこにでもあるブランドだという事だ。
だとしたらこれは、ぼくがやる事じゃないし、ぼくが一生かけてやっていくことではない。改めてそう思う。一生かけてやるなら、もっと意味のあるものやりたいし、本当に自分が満足出来るような物を作らないと、本気の人を相手にできないとさえ思う。
売れれば良いとか、知名度があれば良いなんて、そんなのは本当にどっちでもよくて、ぼくがお客なら、心底、満足したいだけだ。
その満足とは、背筋をピンッとさせてくれたり、正しさや素晴らしさを教えてくれたり、次の世界へ誘ってくれるような、そんな服だ。その服を着るという選択をして本当に良かったと思ってもらえるような服だ。人生の一部でないと。
でも、今の世の中にある服じゃほとんどそれは無理だ。 実際に、それなりに名の通ったブランドであっても、無理だ。もちろんハイブランド だからって言われても、無理だ。
その人の人生をガラッと変えてしまうような、もしくは、その人の人生に何か影響を与えてくれるような、心に傷を付けてくれるような、そういう服じゃないと、少なくともぼくは満足出来ないな。今回買い物をしたけど、これはただのストレス発散にすぎなかった。これから着るとは思うけど、この服では人生を左右されないし、社会の外へ連れてってはくれない。ファッションじゃあやっぱりだめだということが改めて証明された。
Comments