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「501」隠し通すこと

母親が死んでからあっとゆう間に7年半が経つけど、今でもふと夢に出てきたりする。その時は大体途中で起きてしまってふと我に帰る。

こないだなんかは、母親が子供のようにずっとタブレットを触って、一切こっちを見ないでゲームか動画か分からないけどずっと画面を観ててほとんど話せなかった。

そんな夢の話はさておき、そういう時に思い出すのが、母親のタバコである。 たしか母親の葬式が終わって数週間?数日立った時の遺品整理で、母親のクローゼットの奥から長く使っていたであろうポーチがあって、その中からピアニッシモ1mgのタバコが出てきた。ちゃんとライターも添えて。

明らかに女性のタバコで、ええ!?とビックリしたことを思い出す。 というのも、母親がタバコを吸っているところを二十数年間一回も見たことがなかったから。まじでビックリした。 母親がタバコを吸っていたなんて兄弟3人共全く知らなかったのだ。むしろ嫌いだと思っていたくらい。

子供のころ、いや大人になっても、親父やぼくとかがタバコを吸っていても、煙を嫌がる仕草やあの顔は印象的だったし、そもそも吸ったことすら無いんだろうなって思っていたくらいで。

最後まで隠し通したその生き様は、かなりの衝撃だった。 なぜそこまで隠したのか?母は病気だったから余計、吸ってるなんて人に言えなかったのか?でも成人した子供にはもう話してもよかったのに。それに兄弟全員がタバコは吸ってたし。

隠し通した真意を聞きたいが、もう直接聞くことはできない。 何か言わない理由があっただろう。もしくは想像するに、誰にも知られずに吸う、それでストレス発散していたのか。または家族には吸ってる自分ってものを見せたくなかったのか。

謎は残るばかりで真意はともかく、ずっと腹に持っていたその生き様を誇りに思う。良かれ悪かれ、隠し通すことってなかなかできるもんじゃない。ついうっかり誰かに見られたり、もしくはその事情を知ってる人がポロっと言っちゃったりとか。そんなことがあってもおかしくないのに、全くそんな気配すらなかった。

「タバコを隠してた」という小さな事象に、母親という1人の人間の性格や意思の強さとか(もしくは弱さなのか?)どうやって生きていたのかとか、日頃どう思って生活していたんだろうかなど、多くの何かが垣間見れる。

この事実がずっとぼくの頭の片隅に残っていて、これはきっと何かぼくの人生に影響を与えているような気がする。

ぼくの母親は「タバコを吸っていることを最後まで隠してた女性」だ。

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