製品作りもいよいよ終盤を迎えてきていて、付属品の最終段階の打ち合わせに入った。この打ち合わせが終われば、最終サンプルを作って完成になる。
その付属品を作ってくれている会社の考え方は非常に好きだ。良いもの=本物だということを、しっかりとわかってくれている。というか教えてくれる。だから高い水準でのモノづくりが当たり前で、ぼくが求めてるモノを超えて見せるという心意気でやってくれて、本当に思った以上のモノが出来上がってきちゃうから驚く。本当に素晴らしいと感じる。
そこの会社が作っているモノは、日本で唯一この会社にしか出来ないものを作っている。だから当然、特許はとってるんですか?とぼくは聞いたんだけど、これが驚いたことに特許は取らないという考え方なのだ。
普通なら取らなきゃもったいないと思うんだけど、実はこの会社からするとそれは真逆で「特許を取ったら細かい図面や製法が全て公式に開示されてしまうでしょ?だから取らないんだよ」って。誰にも真似できないものを作ってる自信があるから、特許なんかは取る必要ないんだとか。
これを聞いて、そしてこの会社の製品を見て、深く納得するばかりだ。 「本物」の素晴らしいところは、その物自体が全てを納得させてしまう力を持っているところだ。
この会社の製品も、異業種ではあるものの、見ていて惚れ惚れする美しさだ。そこまでしっかりと追求している。神経の先っちょまで意識がしっかり届いている。 こうした考えを、物を見ただけで伺えるのが本物たる所以だと思う。
お付き合いしていく企業が、こうやって本物志向の会社であり考え方であるということが、モノづくりにとって最も幸せなことだと思う。そういう企業とこれからもお付き合いしていくために、ぼくも本物でないといけない。
最後まで手を抜かず、そしてこれからのモノづくりでも一切手を抜かずに行っていくこと。それがぼくにとって最低限のボーダラインだ。
今日もまた襟を正された。今日は亡くなった母の誕生日だった。
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