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「351」じいちゃんと銭湯

日曜の夜は、じいちゃんばあちゃんを連れて銭湯へ行ってきた。 家族で一緒に行くのは何年振りだろうか、母親が死んでから一回だけ行った記憶がある。それ以来だから5〜6年は行ってなかったと思う。

当然、ぼくとじいちゃんは男同士で一緒に入ることになるんだけど、いやー本当に歳を取ったと感じる。老人という言葉がぴったりだ。なんせもう85歳になるんだから当然だけど、それでも元気なじいちゃんを知っていた孫としては、非常に切なくなる思いだ。

ロッカーの鍵を開ける動作、服を脱ぐ動作、全てが確実に遅くて、どこかフラついている。確か80とか82歳くらいまでは畑仕事をまだしていたから足腰はそれほど弱っていなかったと思うけど、やめてから一気に弱くなった。

そして服を脱いだ時の、シワが全て垂れ下がった体をみると、自分もいつかこういう時が来るんだと、なんだか気分は重くなった。ヨボヨボと銭湯内を歩くその姿を見ていると、危なっかしくて目が離せない。まるで子供のようで、何が起きるかわからないという心配な気持ちで見ていた。

お風呂を上がってからも、湯上りで体が火照ってしまっているから余計だろう、やっぱり動作は鈍く、めまいを起こしていたりと。

人間、こうやってどんどん軟弱になり、そのまま肺機能が停止して死んでいくんだなということを、まざまざと見せつけられた気がした。もちろん別の形で死んでしまう人もたくさんいるけど、老衰の場合での死とはこうやって、少しずつ少しずつ迫って来るんだな。

こういうことを言ったりすると、不謹慎だとか言う意見があるかもしれないが、誰にでも必ず死は訪れて、誰もが必ず経験すること。だからぼくは何も不謹慎だとは思わない。これは実際に感じたことだし、それはじいちゃんも感じていることだと思う。

あの体力からすると、こうやって銭湯に来ることも、もしかしたら最後かもしれない。もう一回くらいは連れてってあげたいな。

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