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「318」夢はでっかく

小中高と学生時代を過ごしてきて、唯一覚えている先生が一人だけいる。 寺田先生と言って、180cmで100キロほどの、まるで熊のようにおっきい先生だ。当時先生は30後半〜40前半くらいの年だった。

その先生が、卒業式の時に語った事を覚えている。 「小学校の記憶って、今現時点で君たちは覚えているだろうけど、大人になるとそれが断片的になり、ほとんどが思い出せない。だから、今を一生懸命生きるんだよ」と。 その言葉の全てをハッキリと覚えていないから、綺麗に言い直してるけど、でも鮮明にそんな事を言ってたと覚えている。

今になって、この素晴らしい言葉を言ってもらえた事に感謝している。きっとこれからの人生で先生と会う確率はほぼないだろうけど、先生の記憶はぼくの中にしっかりと残っている。

もう一つは「夢はでっかく」と言う言葉だ。黒板いっぱいいっぱいを使って、先生らしくでっかい文字で書いてくれた。この言葉は、今でもぼくの心を保ってくれている。高校卒業の時、みんなの卒アルにお互いが何かを書きあっていた。ぼくはいろんな人の卒アルに「夢はでっかく」と書いた。その時の女子とかにはちょっと引かれたのを覚えている。その時はちょっぴり恥ずかしかったけど、30代になった今では、あれを書いてよかったとつくづく思う。

きっと彼ら彼女らがその卒アルを見る事はもうそれほどないだろうけど、もっと大人になってもし見る機会があった時に、ぼくの「夢はでっかく」という言葉をみたとしたら「確かにそうだよな」って思えると思うから。大半の大人って、後悔の上に生きている事が多いと思うから。

でもぼくは「夢はでっかく」が、ずっと頭の中にあるから、きっと他の大人よりも後悔は少ない。後悔した事があったとしても、それでも「夢はでっかく」が救ってくれる。

寺田先生がたくさんの生徒に送った言葉が、ぼくというごく一部の生徒の心にこれほど残っていて、その言葉がまた誰かの元に飛び立って行き、またその先もあるかもしれない。その伝達って、フォレストガンプにどこか似てて、好きだ。ぼくがフォレストガンプって言う映画が好きな理由も分かる。

「夢はでっかく、今を一生懸命生きる」

ぼくが今やってる事のルーツは、実はここにある気がする。

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