とある人が亡くなった。
”人は生まれた瞬間から死亡率100%だ”と、葬儀で和尚さん唱えていたのが印象的だった。人が死ぬということは、至極当然のことである。変えられない事実である。
もう一つの事実は、その人が亡くなったことにより、その人と繋がりを持っていたいくつもの「間」がなくなるということ。
人は人との間で生きているから「人間」であることが出来る。それはもうそういうことだから異論の余地はなくて。その間があるからこそ、だからこそ初めて「人間」でいられる。間がなければ、それはもう「人」であり、つまりホモサピエンスのホモである。「間」とは、そこで生まれる関係性のことで、その関係性があるからこそ、秩序や制限が生まれる。
今回亡くなった人とぼくとの関係が、遠かれ近かれ、確実に一つの間が亡くなった。 聞くところ今回のお通夜では700名程の参列者があったらしい。700もの間が失われた。ぼくはそれを知る由もなかったけど、実はそういう沢山の「間」を持った人だったんだな。と。
”人は死んで初めて真価が問われる”とは、まさにそういったことなのかもしれない。 先人達が残したその言葉の重みを、改めて感じることになった。
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