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「309」色

映画を見に行って、色が持つ情報や、色が持つ意味、色が放つ力、そんなことを少し考えていた。

自分たちが生きている中で、今まで色というのはどれほど影響を与えてきたんだろう。春の陽気や、夏の日差し、鮮やかな紅葉とか戦慄の雪景色とか、季節だけでもこうやって色によって結構支配されていると思う。

今回の映画の中で見て印象に残ったのは「青みがかった色」だった。分かりやすいイメージだけど、青い色がかかってるからより冷たく、孤独で、冷酷で、といった印象をより強く観客に意識させることができていたと思う。日が当たってる場所でもなぜか寒そうだし、夜なんかはより一層不気味な雰囲気に仕上がっていた。

こうやって、ただ単色で、はっきりとした色だけが世界にはあるわけじゃなくて、もっと言葉にできないような、曖昧な色もたくさん存在する。

そうゆう曖昧な色を、きっと今までの人生の中でも、自分の目でたくさんの色を見てきているけど、それは色として認識しているよりは「思い出」だったり「雰囲気」として覚えている気がする。それはある種匂いとかにも似ている気がする。

これほどまでに色を意識して観たことはあまりなかった。だけど振り返ってみると、観てきた映画の雰囲気をけっこう色味で覚えている気もする。

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