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「304」手前と奥

おじいちゃんが使ってる言葉で「手前が深い」という言葉があった。どんな意味?と聞いたら「欲が深い」という意味で、手前=欲であり、欲=自分自身の心だということだった。こういう言葉ってパッと聞いて非常に面白いと思う。

そもそも”欲”とは、自分にとって好都合のものであるから、自分自身の中に深くあるもので、それを”手前”と言う言葉で表現するんだから。

この言葉が聞けた理由というのも、おじいちゃんは昔から鮎釣りをしていたんだけど、年齢や体力的にもしんどくなりもうやらなくなり、竿やその他釣り道具一式を近所の人に譲る時、一人の人が全部もらって行ってしまったらしく、その時に「あの人は手前が深い」と感じたらしい。周りの人に分けることなく、全部自分のものにしてしまったその様子を”手前が深い”と言っていたのだ。

手前って言葉だと他には、手前味噌とかも言ったりする。手前味噌とは、調べたところ簡単に言うと自慢話のことを言うらしいけど、やっぱり”手前”という言葉は自身の内側に存在することなのだと言うのがわかる。

じゃあ今度は反対に”お前”って言葉はどうだろう。これは調べてないからあくまで推測だけど、現代では暴力的な、強めの言葉に感じる。しかしよく考えてみると丁寧語の”御(お)”を付けていることに気づく。

例えば”お箸”とか”お味噌汁”とか”お賽銭”とか、言葉を丁寧にする場合は御を付けているから、”お前”は相手を尊重しているのかなぁなんてことに考えが及ぶ。 とゆうことは、御=奥という言葉の”お”から来てるんだろうか。。

そう考えると「手前浅く、おく深く」できることが非常に綺麗で品があるなぁと感じる。そうありたいと思う。

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