ジムに通い始めて約2年になる。面白いことに少しずつ体力がついていくのが体感できてすごい達成感がある。当初持ち上げられなかった重さだったり、走れなかった距離、泳げなかった距離を、今では悠々超えられるようになった。 しかしまた次も超えられない重さや距離に遭遇する。そうすると毎回「おいまさき!これは自分との戦いだぞ」ともう一人の自分が心の中で叱りつけてくる。 ”もう嫌だ”を何度も繰り返し、体が少しずつ成長していく。
ぼくは25歳位の時に重症筋無力症という病気にかかった。この病気はいわゆる難病とされていて、まさか自分がこんな知りもしない病気にかかるなんて当然思っていなかった。手術をして少しは回復したものの、病気のままだから、一生の病としてこいつと生涯添い遂げることになる。
もともとずっとサッカーをやっていたから、病気になる前はスポーツをしたり活発に運動をしていた。しかし20代前半の若気のいたり的な不摂生が溜まった結果なのだろう、体が必然的にストップをかけてくれた。 仮に病気にならなかったら、今でもたくさん不摂生をしていたのかもしれないと思う。病気になって”体が資本”という本質に気付けたと思う。
病気になってから、逆にスポーツを避けていた自分がいた。それもそのはず、この重症筋無力症という病気は、一見なにも普通の人と変わりのない病気で、サッカーに誘われて行ったとしても、”普通に出来る(動ける)”と思われてしまうから。 しかしいざやってみると手足に力が入らなくて、走ることもままならない。なにもないところで足がもつれてこける。しまいにはみんなから「おじいちゃん」と言って笑われる始末。だから予めみんなにいちいち病気の説明をしないといけない。でも当然のようにこの病気の内容を周りは知らない。そうすると、病気であることがどこか恥ずかしく思えてくる。そりゃあスポーツをしたくなくなる。
ジムに通い始めたのも、そんなことが悔しかったり、情けない自分を変えたいなと思ったのが始まりだった。それと、根本的に30代に入ってから”20代とは違う体”に気づいたことからだった。健康診断の判定もBとかCだったりしていて、また”病”が頭をよぎったのだと思う。
良いことに、体を動かすと食欲も増す。根本的に健康でいよう考えるから極力不摂生をしないような生活習慣になる。いいことづくめである。
自分と体とを向き合わせることは、実は人生の中で最もクリエイティブなことなのかもしれない。
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