映画「人生フルーツ」を観たことはあるだろうか。
風が吹けば、枯葉が落ちる。 枯葉が落ちれば、土は肥える。 土が肥えれば、果実が実る。 こつこつ、ゆっくり。
この一文を観たときからとても好きだ。惹かれるものがある。HPや映画の冒頭で、この言葉を目や耳にするけど、この、なんとも当たり前なことが、この映画(ドキュメンタリー)の最大の魅力であり、凝縮されたメッセージだと思う。
この映画は、愛知県に住む、ある90歳前後の老夫婦の二人の生活に密着したドキュメンタリー映画で、そのほとんどの撮影が「夫婦の自宅」で行われているのに気づく。何も外の世界と阻害されている訳ではなく、”そこに”見せたいドキュメントがあるから、そのような撮影にしたんだと推測する。
最近になって、ぼくの中で気づいたことがある。それはきっと、ぼくが思う人生のテーマであると思うのだ。それは「生活」という言葉である。生きる活動と書いて「生活」。この、すごく当たり前のことが、すごく意味のあるものだと思うのだ。そしてまた、このすごく当たり前のことを、人はどこかナイガシロにしがちである。しかし、この世に生きる人間で「生活」を行っていない人間は一人もいないと思う。人間は皆、生活者である。どれだけ考えても、どれだけ学んでも、そこにきっと意味や理由なんかはないと思うが、その意味や理由を今、探っているところだ。
太陽が沈めば、夜がきて、太陽が登れば、朝がくる。雨が降り、風が吹き、波が荒れる時もある。それに合わせて、ぼくたち人間は生活している。そこに尽きるのだろう。
まだ観たことがない人は、是非この「人生フルーツ」を観てみて欲しい。
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