「104」許容範囲
- 山田 雅樹
- 2018年6月30日
- 読了時間: 2分
中学生時代とかに、ちょっとした悪さをした思い出なんか、たくさんあると思う。ちょっとした悪さってどこまでが”許容範囲”なんだろうか?もちろん法律的には軽犯罪と言われようが犯罪には変わりないから、許容範囲なんてないんだろうけれど、それでもなんとなく存在すると思う。万引きだとか、石ころを投げて窓ガラスが割れただとか、もちろんダメな事は重々承知だけど、それでも中学時代とかってそれが楽しかったりした。
ちょうど今日、最寄りの駅で、小学校6年生?か中学1年くらい?の女の子が5人くらいいた。私服でバッチリメイクもしていた、ちょっとませた女の子達だった。お金がなかったのかなんなのか分からないけど、駅の改札口をどうやってすり抜けようか考えていた感じだ。3人は通り抜けていて、残りは2人だ。みんな少し慌ただしい感じで、なにやら面白そうなので近くでこそっとそれを見ていた。
ぼくがなんの気無しにそれを見ていたら、残りの2人が改札を無理やり抜け、改札が「ピンポーン」と鳴ったところでちょうど目の前にいたぼくと、5人みんなの目があった。目の前に、大人がいきなりいたからびっくりしていた表情だったけど、ぼくはなんだかその子たちが可愛らしくって、ついつい笑ってしまった。5人とも「怒られるんじゃないか?」と言ったような不安な顔をしていたのが、昔の自分にもどこか似ていて無性に可愛かった。ぼくは「そんなビビらんくても大丈夫。改札抜けるくらいなんてことないって」と言った。するとみんなはほっとして笑顔になっていた。続けてぼくは「だけど今度からはやっちゃダメやぞ。今日のはいい思い出にして、明日から改めろよ」と、とりあえずもっともらしい事を言っておいた。女の子達は走って去っていった。
賛否両論あるだろうけど、これってぼくからしたら別に許容範囲の事だと思う。大人になってもそんな馬鹿らしい事をしていてはダメだけど、でも、今回の件の思い出は、きっと将来彼女達にとっては”面白い経験”として片付けられるだろうし、なんだか悪い気もしない。許容範囲って難しいけど、そこに確かに存在するものだろう。
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